意識高い系リサイクル

投稿日時 : 2019/10/03 18:30

20 Minutes紙のサイトより。
「レンヌ:エコロ、レトロ、あるいはボボ(お洒落)、ヴィンテージは成功し続ける」

日本でも個人間でのフリマアプリで洋服をリサイクルしたり、洋服のレンタルなどが最近流行っているが、もともとのみの市などが日常的にどこでもあるフランスでも、古着は日本とは違った形で現代的な流行方をしている。

その一つが、10年以上前に(もちろん)パリから始まったSalon du vintage(サロン・デュ・ヴィンテージ:ヴィンテージ展示会)。このSalon(展示会・展覧会)というイベント形式も多少フランス独特のビジネススタイルで、年中、各地でさまざまな「サロン」が開催されている。日本でいうと、各地のデパートで企画される大北海道展みたいにポピュラーなイベントだ。このSalon du vintageは、今では地方都市にも拡がり、上記の記事は、レンヌでは今年2回目が今週末に開催されるという話題を紹介したもの。

2019年、ヴィンテージとされるのは、70年代から90年代のもの。10年前は「ダサい」とされていた90年代のものもヴィンテージとして評価されているという。

ヴィンテージが好まれる理由は、単にリサイクル、再利用によって、安くできるということ(ヴィンテージだからといって高額になることはない)だけでも、使い捨てのように服を買うことを避けるだけでもない。もったいないからとか、シンプルに生きる、という抽象的な理由でもない。昨今のフランス人の環境問題に対する(高い)意識がそこにはある。

つまり、アパレル産業での労働条件(生地の製造過程から店舗での販売、流通まで)の過酷さ、製造過程における温室効果ガス排出量の多さ、輸送(原材料の生地、工場から店舗までの輸送、オンラインショッピングで購入した商品が個人宅へ配送される際の輸送に使われるエネルギーを考えると、ヴィンテージ、古着を着ることは、エコロ(ジー)であるだけではなく、道徳・倫理的でもあるという。

Salon du vintageのサイトでの告知。

それでもフランスでのヴィンテージ展示会ときけばやはりお洒落に見えてしまう。が、お洒落なフランスアイテムがあると思って、日本から、環境に悪い飛行機で往復してそれを買いに行くのはまったくこのフランス的な「ヴィンテージ」のエスプリとはかけ離れた行為だろう。