9月にずれこむよう。

投稿日時 : 2024/08/28 17:30

「“社会党は分裂の危機”:左派連合が拒否され、社会党はとるべき戦略で分裂」
Le Figaro紙のウェブサイトより。

状況の打開にほどとおい、フランスの政界。パラリンピックの開催までに首相が決まるという(楽天的な)見方もあったが、もはやどう解決するのか誰もわからないような状況に陥っている。

マクロン大統領との再会合を左派連合が拒否しており、マクロン大統領が望む極左・極右以外の連合内閣にはほど遠く、マクロン大統領は非公式に歴代の大統領も含めたフランス政治の重鎮たちとも意見交換をしたり、打開策を探っているとされる。

そして、左派連合では、やはり、なかなか一致団結も難しく(反極右は例外的)、ここ何年も左派連合の政党同士はもちろん、各政党内でも内輪もめも耐えない左派系政党で、まずは社会党内で、不協和音が生じはじめた。
もちろん、フランスのメディアもそれをいわば面白がって取り上げているという面もあるが、やはり社会党の中には極左政党LFIを毛嫌いするものもいたり、大統領派との協力にも前向きなものもいたり、さらには、現党首のリーダーシップに異を唱えるコメントも漏れ始めている。

マクロン大統領は本日のパラリンピックの開催式のあと、明日と明後日はセルビアを訪問することになっており、新内閣の動きはさらに来週に持ち越しそうだという。今後の予定で重要なのが10月1日の本国会の開会で、新年度の予算が審議され、これまでに内閣が組閣されており、その内閣からの予算案がでているはずだが、かなりタイトなスケジュールになっているという。

フランスのメディアではかなりマクロン大統領が悪者扱いになっているが、あえてマクロン大統領側の理屈を受け入れると、確かに、左派連合が提案しているリュシー・カステ氏を首相にしても、すぐに不信任案が通る可能性は大で、そのような「国家制度の不安定」を許すわけにはいかない。極右政党からの首相も同様で、すぐに不信任案が通るような首相・内閣は選べない。そこで一番可能性があるのが、極左と極右を除いた連立内閣だが、これにコンセンサスが得られないという。と、マクロン大統領の理屈だと、確かにこの状況は「それぞれの政党の責任」問題だ。

まさに八方塞がりのような状況で、メディアなどでは来年の6月に再度総選挙が可能になるまでは、このような状態で、内閣が何度もかわるだろうというシナリオの可能性もでている。