19世紀フランスで、すでにレタッチ

投稿日時 : 2021/02/05 18:00

若き詩人、アルチュール・ランボーといえば、この写真。

コロナ禍でも、コロナ禍だからこそ、フランスでは芸術が語られる。
「エンタメ」ではない、芸術には文学も含まれる。

先日、国営テレビ局France 5の文学ドキュメンタリーで取り上げられたのが、19世紀フランスの詩人、アルチュール・ランボー。日本でも仏文研究者や愛好家などはもちろん、フランス、世界の詩人として多少はしられていたのも昭和の後半までくらいだろうか。

パリ、ソルボンヌ大学の名誉教授、アンドレ・ギュイヨー氏が解説するに、世界中で若き詩人ランボーのポートレイトとしてしられている写真は、実は修正されたものであったという。「修正無し」の写真で、ランボーはごく普通の青年であったが、写真を現像した際に、当時のポートレート写真家がしていたように、版に直接鉛筆で修正をほどこし、お客さんが喜ぶように欠点をなくしていたという。

左が本来の「生写真」。

「エンタメ」ばかりの露出が多く、文学も「エンタメ」でしかない日本とは別世界だ。文化大臣も今月に入って、公演が出来ていない舞台芸術などのために、Culturevoxという臨時の専用局を開設(日本からは視聴不可)し、さまざまな芸術文化の発信を始めた。