フランス政府の新シーズン。パイロット版。

投稿日時 : 2024/08/20 18:05

「エマニュエル・マクロンの罷免? リュシー・カステが提案するのは、ジャンリュック・メランションが提案した案とは別の案」
仏版Huffpostのウェブサイトより。

パリ五輪が無事に終わり、同時に始まったツールドフランス女性版も終わり、まだパラリンピックが残っているものの、フランスは次第にバカンスモードから新年度モードに移りつつある。

政治、そしてメディアでも、オリンピックという「フランス全体がバカンスだった」とスペインの新聞が表現した期間が終わって、再び、政治劇が動き出している。

左派連合NFPが最終定期に提案している女性首相候補、リュシー・カステ氏もメディアでの発言も繰り返しているなか、マクロン大統領が提案したのは、今週の金曜日に新しい国会の代表を集めての会合。議員ではないリュシー・カステ氏も、NFPの要望で参加することになっているが、マクロン大統領はオリンピック前のテレビインタビューで語ったように、リュシー・カステ氏を首相に任命するつもりはないようで、メディアでは大統領と大統領派が模索している首相候補の名前を何人も出している。

これに業を煮やしているのが、左派連合に参加している極左政党LFIのジャンリュック・メランション氏で、リュシー・カステ氏を首相に任命しないならば、大統領の罷免を正式に求めるといいだした。もちろん、メディアもこのまたもや「過激な」発言に飛びついて、「大統領の罷免か」などど騒いでいるものもあるが、もちろん、現実的なものではないという。

そして金曜日の会合だが、そこで大統領が何を話すのか、その結果、どういった落としどころにたどり着くのか、たどり着かないのか、新たな火種が生まれるのか。これまでも、誰にも相談せずに、自分で決めているマクロン大統領、しかも、誰も予想もしない決断をしてきたマクロン大統領なだけに、フランスのメディアでも予測はできないという。

7月初めに総選挙の結果がわかってから1ヶ月以上、オリンピックを言い訳に、時間稼ぎをした感のマクロン大統領だが、風刺新聞では、今度はアランドロンの逝去で、喪に服す期間を設けるという揶揄もあった。ただ、さすがに9月には新年度予算を決めなくてはならないし、9月15日には、オリンピックで活躍したフランス人選手の祝賀会・パレードも予定されており、今週金曜日に決まらなくても、さすがに新首相の任命は時間の問題だろう。

そこから、さらにフランスの政治ドラマの新シーズンが本格的に始まることになる。