フランスの学食事情。

投稿日時 : 2025/01/28 17:30

「1ユーロの学食:国会議員が範囲を拡げたいこの施策を利用できる学生の数は?」
地方紙 Le Télégrammeのウェブサイトより。

フランスのメディアでは、先週の国会で可決された法案がわりと大きく取り上げられている。

いくつかポイントがあるが、まず、三つ巴状態のフランスの国会で、政府側は常にいつ不信任案が可決されるか本当に分からないとう状況で、そもそも法案がすんなりと通ること自体が特記すべき事になる。

さらに、この法案が、現在のフランスの政治状況で1つの鍵を握るとされる社会党から出されたという点もある。社会党は政府側からアプローチされているものの、形としては野党の立場を保ちつつ、ただ、これまで一致団結していた他の左派系の党、特に極左政党LFIとは距離を取り始めているという状況で、社会党が提案した法案が通ったのはポイントとなる。

この法案だが、学食の一食の値段を全ての学生に対して1ユーロにしようというもの。

この1ユーロの学食は、コロナ禍の時に、まずは奨学金を受けている学生、そして経済状況が厳しい学生に限定で導入されているシステムだが、昨今の学生の貧困問題もあり、様々なところから、全ての学生を対象にするように求められていた。

昨年度は300万近い学生のうち、この制度を利用したのは50万人程度という調査があり、一方で、学生の三人の一人はお金がなくて食事を抜いたことがあると答えていたという。

今回、とりあえず、法案は通ったが、この後、実際に適用されるまでにはまだまだハードルがあり、9月からの新年度から全ての学生が1ユーロで学食を食べれるかどうかはまだわからない。

ちなみに、極右政党RNもこの法案に賛成しているが、途中で、「フランス人学生」のみに限るべきだという条件もつけていたというし、全ての学生に拡大するのは意味がないとか、予算の確保はどうするのかといった声もある。

ところで、フランスの学食の正規料金は一食3.3ユーロ。