COVID-19とフランス語

投稿日時 : 2020/05/08 17:30

本日からフランスは3連休。それが終わると、隔離解除が始まる。

France 5の情報番組より。
マクロン大統領を始め、多くの政治家なども”réouvrir”を使っている。

学校や店舗の「再開」にむけて、数日前から話題になっているのが、「正しい」フランス語の問題。

「再開(する)」はフランス語でどう言うか。メディアだけではなく、大統領や政治家なども最近よく使っているのが、「Réouvrir」という単語。フランス語の権威である辞書、Le Robertや、アカデミーフランセーズの辞書では、「Réouvrir」も間違いではないが、きちんとしたフランス語で正しくは「Rouvrir」だとしている。

France 5の情報番組より。

名刺「再開」は、「Réouverture」であるが、動詞(とその活用)には、réouvrirとrouvrirが混在しているのが現実で、「純粋主義者」は後者とされるが、言語学者にとっては、両方間違いではないという意見も。スタンダールもréouvrirという動詞を使っていたというが、それでもréouvrirは変だという意見もあり、特に、今回のように学校や店舗の「再開」に、réouvrirでもrouvrirでも、物事の繰り返しなどをあらわす「re」という前頭詞をつけること自体に違和感をとなえる人もいる。

Covid-19の騒ぎで、confinement(コンフィヌモン:自宅隔離)という言葉が使われるようになったように、様々な言葉が新しい意味や状況で使われるようになっている。パリなどで拡充される自転車レーンも、「corona piste(コロナ・レーン)」という通称で呼ばれ始めている。

「”Rouvrir”と”révouvrir”、どちらを発音して書く?」
ラジオ局RTLのサイトより。
サイトでは番組音声も聞くことができる。

カタカナ英語で、「ステイホーム」、「ロックダウン」、「クラスター」さらには「スマートライフ」というような言葉が蔓延している日本とは違って、フランスはフランス語を再定義したり、進化させている。