新しい波

投稿日時 : 2022/01/17 17:30

「大統領選2022:“必要なものしか買っていません”。選挙戦では見えないフランス人の懸案事項は、購買力」
20 Minutes紙のウェブサイトより。

フランスでは、何度かの徹夜もあって、国会と上院での承認手続きも終わり、衛生パス関連法案が通った。提案した政府の予定では15日からの施行だったが、数日遅れで始まることになる。

新規感染の9割をオミクロン株が占めてきたが、新規感染者数は微妙に減り始め、重症患者数も減ってきたという報告もある。今週からまた新しい生活になるようなフランスだが、大統領選挙も第一次までもう三ヶ月となったものの、当然、オミクロン株などの話題などが大きく、本来のこれからの政策論争にはなっていないように見える。

そこで、候補者たちがまったく言及していないながらも、フランス国民がいま最も懸念している問題は、治安問題でも環境問題でもない。日本でよく使われる曖昧な「経済問題」でもなく、より現実的な「購買力」が問題とされている。

コロナ禍で収入が減ったことなどもあるが、インパクトが大きいのが光熱費の上昇だ。例えば、一般的な一軒家では、去年は450ユーロ程度だった電気料金が、まったく同じ生活をしていても、600ユーロになったという。さらにフランスでも食料品などの値上げもあり、生活は厳しくなっている。

今のところ、数年前のジレ・ジョーヌのような運動はなく、大統領選挙の候補者でも、国民の「購買力」、つまりは生活の質を向上させる具体的な政策を提案できていないのが現状だろうか。

ここから大統領選挙まで、いろいろなことが起こりそうなフランスだ。