フランスの保育所の人員不足

投稿日時 : 2022/08/31 17:30

「トゥールーズでは厳しい新年度の始まり。保育所では一枠に対して1500近くの応募」
国営地方ラジオFrance Bleuのウェブサイトより。

まだ小中学校の教員不足ほどはメディアでも大きく取り上げられていないが、一部の地方ではかなり深刻になっているのが、保育所の空き枠不足。

原因は、コロナ禍で働き手が離れてしまって、新しい採用ができていないことにあるという。

2020年1月の統計ではフランスの6歳以下の人口は450万人。保育施設は46万ある。そして、日本と違うことは多々あるが、おそらくは最も違うのが、国で決められている保育士一人あたりが見る子どもの人数の上限。

フランスでは、歩けない子どもの場合、子ども5人に一人。歩ける場合は8人に一人が基準だ。ちなみに日本では、まず、大前提として、歩ける・歩けないという基準がなく、年齢で、実際の保育士目線ではなく、管理しやすい年齢が判断基準。しかも、4歳以上では30人に「最低」一人、というフランスでは考えられない基準(もちろん、保育の仕方も違うが)。

コロナ禍で飲食業からも人が離れたように、医療現場からも離れたように、保育所や小中学校も働き手がいなくなってしまった職場で、そもそも給与もそれほど多くはなく、条件も厳しい職業では、そもそも「構造的な」問題もあるという指摘もある。

保育所が見つからない場合、ベビーシッターを探すという親もいれば、仕事を諦めるというケースも。この辺の親の選択肢はどこの国でも同じだろう。さらには、今年はもう諦めて、来年の保育所を探し始めている親もいるという。