チキンレース?

投稿日時 : 2025/01/15 17:30

「フランソワ・バイルー内閣:不信任案に賛成する人、反対する人は誰か」
地方紙Ouest Franceのウェブサイトより。

フランス時間、昨日の午後行われた90分におよぶ新首相の所信表明演説。昨晩から、そして今朝も、フランスのメディアは大きく取り上げている。

途中で首相がメモを見失ったりしたことや、元教員らしく文学作品などの引用が多かったことなどの指摘もふくめ、様々なコメントがでている。ただし、何十年も「ザ・中道」で通っている政治家らしく、特にどこかの勢力によくも悪くも偏ることなく、実に「政治的」な演説で、とりあえずは「無難に」こなしたという見解が多いようだ。

ただし、年金制度については、新制度の凍結や、取り消しを求めていた左派系の政党、極左政党LFIとエコロジー政党、共産党は早速、不信任案を提出した。

さらに、ただし、社会党は今回の不信任案には投票しないとされており、他の政党も今回の不信任案には賛成すること名ないとされている。極右政党RNに対しても、新首相は極右政党と明言しなかったものの、極右政党が求めている比例代表選挙制への道を開く可能性を言及するなど、ここでも「政治戦略的に」振る舞った。

それぞれの政治勢力や議員の思惑としては、あまりフランス政治の混乱を招く原因になって、国民の政治不信を助長し、嫌われることは避けたいということもある。が、だからといって、何の政治信条も示さずに行動しなくても、国民にアピールすることもできないというジレンマに陥っているともいえる。

不信任案は木曜日の午後から審議される予定だ。