フランスは国民のメンタルヘルスに5000万ユーロを用意

投稿日時 : 2022/04/06 17:30

「“MonPsy”(モンプシ):今後は、心理カウンセラーの8回の診察が保健で払い戻される」
Le Figaro紙のウェブサイトより。

これまでは、心療内科(psychologue。臨床心理士)の診察は保険適用外であったが、昨日からは、年間8回までは保険適用の対象となり、6割が国の保険、残りの4割も任意の保険でカバーされることになった。

フランスの医療システムは日本と違うが、まずはかかりつけ医から紹介状のようなものをもらって、「プシ」に1回目のカウンセリングにいくことからはじまる。(全ての専門医にかかる場合と同様。そこでは、今後どのようなカウンセリングができるのかというヒヤリングで、残りの7回で「治療」が行われるという。3歳以上(!)の全ての国民が対象で、中軽度の症状がある人が対象だ。

「MonPsy」というポータルサイトが立ち上げられ、患者はもちろん、参加する臨床心理士が自分の家の近くで見つけられる。最初のヒヤリングが40ユーロ、その後の診察は一回30ユーロで、今年は5000万ユーロ、来年以降は毎年2億ユーロが国民のメンタルヘルスのために使われるという。

コロナ禍やウクライナ情勢などで、メンタル面で打ちひしがれているフランス人にはよい仕組みのようだが、もちろん、反対する意見もある。心理士に支払われる金額が少ないとか、参加する心理士の志願者が少ないとか、支払も患者がいったん支払った後に払戻というシステムも実用的ではないとか。

これは昨年9月にマクロン大統領が発表していたもだが、大統領選挙の第一回投票まであと5日でのタイミングでのスタートになったが、これが大統領選挙に大きく影響することはないだろう。

カウントダウンが始まった大統領選挙については、メディアが「まだどうなるかわからない」という記事や解説を出してあおっているような感じがしないわけではない。過去にも直前の国内ニュースが選挙に影響したことがあり、最後までわからないといえばそうなのかもしれないが、いずれにせよ、まだ先が見えないウクライナ情勢とは違って、日曜の夜には結果がわかる。