環境問題と畜産

投稿日時 : 2023/05/25 17:30

「牛が原因の汚染は多すぎると、会計検査院はフランスの家畜の数の減少を勧告」
Le Parisien紙のウェブサイトより。

月曜日にフランスの会計検査院が発表したところによると、フランス政府は、フランス国内で飼育されている畜産牛の数を減らすべく、その計画を出すべきだという。

フランスでは、気候変動の話題、脱炭素化の話題の一つとしてもう何年も前から取り上げられているのが、牛のゲップに含まれるメタンガスによる温室効果ガスへの影響。

フランスは、ヨーロッパ諸国では、肉牛では一位、乳牛でもドイツについで二位の生産量で、牛の数は1700万頭という。そして、フランスのCO2排出の実に10%以上が畜産業関連だという。

大量の牧草地があるとはいえ、ゲップやおならのメタンガスの排出と相殺できるほどではなく、農業省に畜産牛の数を減らす対策を立てるように求めたという。農業省では、今後畜産の数は減っていくと予想しているものの、温室効果ガス対策の観点からは不充分だという。国民にも、一週間に500g以上の肉は食べないように求めた。

もちろん、この発表に畜産業界は困惑している。そもそもコロナ禍やウクライナ情勢などで、経営が厳しくなっているところに、環境問題でこのようなかたちでやり玉にあがってはやっていられないという。