先生のマスク:フランスはもう「ウィズコロナ」

投稿日時 : 2020/09/07 18:00

「学校では、先生がまもなく透明なマスクを着用」
Le Parisien紙のサイトより。

フランスでの新年度が始まって一週間。日曜日にフランスのメディが取り上げたのは、障がい者担当副大臣が発表したという、「今月末までに、60℃で25回洗える再利用可能な透明マスクを10万枚用意し、秋の間には大量に供給できるようにする」というものだ。

フランスでは、全ての教員はマスク着用義務、生徒も中学生以上はマスク着用義務だが、当初から問題とされていた耳が不自由な子どもたち、さらには耳だけではなく、問題を抱える子どもたちへの配慮だ。フランスでは障害をもった子どもたち、そして言葉を覚え始める幼稚園の子どもたちに接する教員は、顔の表情や口の動きがコミュニケーションには重要だとして、政府がこれに対応したかたちだ。

コミュニケーションを大切にするフランス、子どもを大切にするフランス、アルファベットという音声表記の言語を母国語とするフランスにとって、子どもの教育に携わる大人が通常のマスクで顔を隠して子どもと接することは考えられないようだ。これは、現場の教員はもちろん、親も、政府も、さらには子どもたちも表情が見えない大人とはコミュニケーションが難しいとわかっているようで、この素早い対応となった。

透明マスクはすでにフランス国内で量産体制が始まっており、現在3社が政府からの承認をうけて製造しており、さらに2社が承認待ちという。そして政府はこの教員用のマスクを無償で提供するとしている。とりあえずは、障害を持つ子どもと接する教員と、幼稚園の先生からだというが、今後は、公共の場で一般市民と接するような職場なども対象となるという。