ジャンクフードの税率を上げようとするフランス

投稿日時 : 2024/10/18 17:30

「食生活差別:モンテーニュ・インスティテュートが提案する“栄養税制”に賛成」
Libération紙のウェブサイトより。

フランスの国会では新年度の予算案の議論が始まっている。新首相は、国の赤字を改善しようと、さまざまな税制度の変更を提案しているが、民間からも提案がでており、メディアでも取り上げられている。

なかでもここ数日話題になっているのが、不摂生な食(malbouffe:ジャンクフード)を対象にしたものだ。

日本よりも有機野菜とか、BIOとか、ヴィーガンなどがあるイメージがあるフランスでも、学校給食などの大量調理では予算と効率が優先されて、栄養面は余り考慮されていなかったり、貧困家庭では格安のパスタや缶詰ばかりだったりする。アメリカの肥満率の高さを揶揄しながらも、フランスでも肥満や不健康な食生活による病気や疾患で、国民の医療費、つまりは国の税金が大きく使われていることが問題になっている。

タバコやアルコールの(過度の)摂取が、国民の健康を害するだけではなく、国の財布にも悪影響なように、国民の不健康な食生活も、「健全な」国の財政に悪影響だという。

そこで、民間のシンクタンク、Institut Montaigneが提案したのは、「不健康」とされる食料品については、他の食品のように軽減税率の5.5%の消費税ではなく、20%にするという税制改革だ。いわゆるお菓子やインスタント食品などが対象となる。そしてこの税制度で得られた収入で、貧困家庭には食料品クーポンを配布するというもの。

この提案の真意は、税収入を増やすのが目的ではなく、フランス国民の3人に1人が毎日健康な食事をとれていないという現実に対して、健康的な食生活を送れない人たちを支援するという目的だという。