年金制度改革問題:反対勢力の不協和音

投稿日時 : 2023/02/20 17:30

「年金制度改革:“不服従のフランス”党は法案反対の他勢力から的にされる」
20 minutes紙のウェブサイトより。

年金制度改革問題。先週の金曜日の夜中、国会本会議での議論は終わった。次は上院(Sénat)で審議され、その後、また本会議に戻ってくる。この間に、3月7日(火)に超大規模なデモ・ストが予定されている。組合側は国中を「一時停止(à l’arrêt)」にすると息巻き、あらゆる業種、文字通り、フランスは活動停止になるとされる。

組合側は「一時停止」という言葉を使っており、これまでのようにネガティブな意味にとられがちな「Blocage:封鎖」という言葉はさけ、国民からの理解、指示を得ようとしているという。

ただ、改革反対の勢力でも多少の不協和音は生じはじめており、メディアもまた、反対勢力をあおるように、反対派の中の不協和音もおもしろがるかのように取り上げている。その一つが、大統領選挙でもよくメディアを賑わわせていたメランション氏とその政党、「不服従のフランス(LFI)党」の動向だ。

国会本会議でも、2万近くの修正案のほとんどがLFI党だった。他の野党が議論を進めるために、本会議後半では修正案を取り下げ、受給開始年齢を決めている改革案第7条を議論できるようにしたが、LFI党は修正案を取り下げることがなく、第七条は議論される時間がないままに終わってしまった。

このほかにも、本会議場でのLFI議員の発言や、議会外での発言、もちろんメランション氏自身のメディアでの発言も含め、年金制度改革に反対する他の野党や組合からは、しばし過激すぎたり、やり過ぎの言動に対し、批判も出始めている。

3月7日のストについても、そもそも、中にはもちろんLFI党支持者もいるだろうが、ストをするのは労働組合の組合員だ。年金制度改革反対の勢力のリーダーたちにまとまりがなければ、反対運動にも影響するとされる。そして、もちろん、マクロン大統領や政府は、この不協和音や、他の要因で、反対運動の勢いがしぼむのを待っているようでもある。