その後の世界へ

投稿日時 : 2020/04/08 17:30

「自宅隔離解除、方程式は複雑」
Le Monde紙のサイトより。
写真は、パリ郊外、サンドニの郵便局前で列を作る人びと。


フランスの自宅隔離が4週間目に入り、他の一部のヨーロッパの国のように自宅待機解除(Déconfinement)が話題になっている。

昨日はフィリップ首相が、解除はすぐに宣言されるわけではないと釘をさし、運輸や観光担当の大臣たちも夏のバカンスの予約をするのはまだ早いと警鐘をならしている。

一方で外出許可を守らず、天気も良くなり暖かくなったフランス各地では、「運動」という外出許可を利用して、交通量が少なくなって空気がきれいになり人もいない都市部でのジョギングなどを楽しむ人が増え、各都市では罰則や取り締まりを強化する動きがでている。

とはいえ、フランスの東部や一部の都市では死者数の増加が緩んできたり、集中治療室での対応に少し余裕ができるなど、3週間の国民総ヒキコモリの効果がでているとされている。

また、感染症専門家の試算によると、感染者一人が他人に感染させる人数は1を切ったという。これは自宅待機で感染の拡大が止まってきたということだが、逆に、専門家によると、有効なワクチンがまだなく、開発までに時間がかかるという状況では、国民のなかに免疫があるグループが増えることも押さえられているという。現時点では国民のたった3%しか、COVID-19に対する免疫・抗体ができていないという。

マクロン大統領は明日20時にテレビ演説を行う予定だが、具体的な解除については語らないとされる。解除されたとしても、「コロナ後の世界」はもう「コロナ前」の世界とは違い、以前の生活に戻るわけではないとされる。感染予防対策もしっかりと講じられることはもちろん、日本でも使われ出した「ソーシャル・ディスタンシング(仏語:distanciation sociale)」などの行動様式にも変化があるとされる。