なぜ12月5日?

投稿日時 : 2019/12/02 18:20

「12月5日は、公共交通の長期ストライキに理想的な日付?」
仏版Huffpottのサイトより。

ブラックフライデーのあとは、「黒い一日(Journée noire)」と呼ばれる12月5日(木)の巨大ストライキまでのカウントダウンが進んでいる。フランス国鉄(SNCF)では、5日以降の数日の予約を受け付けなくしたり(ストライキは Reconductible:継続可能)のため、政府の対応などによっては数日続く可能性がある)、年金制度問題以外でも、先週は、大学生が二週間前に焼身自殺を図った学生の訴えをうけ、学生の経済的状況を訴えるために、幾つかの地方都市で大学生が学食を無料にするというデモ活動を行った。そしてRadio Franceでも早期退職をうながす計画に反対してのストライキが2週目に突入している。

まさにフランスの12月はクリスマスシーズンではなくて、ストライキシーズンの様相を呈している。そんななか、フランスのハフポストが取り上げたのが、この12月5日という日付だ。

この記事によると、パリ交通公団(RATP)が最初にこの日付を設定したが、職員たちはこの日の直前にボーナス(日本のような給料の数ヶ月分というボーナスではなく、通称「13ème mois:13ヵ月目」という一月分相当のボーナス)を受け取り、ストライキが続いても経済的に耐えられるからという意見もあるという。ただ、他の労働組合によると、SNCFでは、そもそも夏前にストライキをしたら年末のボーナスはないという。

しかし本来は、政府のスケジュールを考慮して、政府の一連の年金関連の会合などが終わるタイミングがこの12月5日であったともいう。
さらに、12月という年末商戦で経済活動が活発になるタイミングでのストライキやデモは、政府に効果的に圧力をかけられるタイミングであるという。

ちなみに鉄道系の労働組合では、政府が年金制度改革を見直さない限り(つまり鉄道職員の現在の特別措置を維持)ストライキは終わらないと息巻いている組合員もいるという。

この話題、フランスのメディアでは、多少たきつけているようにも見られるが、デモやストライキは、それを報道するメディアや、いまではSNSも含めての大きな運動だ。ただ、こうして何日も前からあおるように取り上げたりすることや、そもそも年金制度改革というかなり綿密な分析や試算が必要とされる問題にデモやストライキという手段が正当なのかという問題提起をする声もある。