自宅療養(入院拒否)がないフランスでは、長距離飛行機を使っても患者を搬送

投稿日時 : 2021/08/04 17:30

「マルチニークのCovid-19の患者がイル・ド・フランスに転院」
地方紙Nice Matinのウェブサイトより。

二年近く経つというのに、日本は未だに世界的パンデミックが国内どころか地方自治体ごとの問題かのように取り上げられている。その極めつけは都道府県別の病床逼迫で、それによる「自宅療養」というネーミングの実質的な「入院拒否」だ。

しかし、ここ数週間で感染状況が急激に悪化しているフランスではまったく対応が違う。もちろん、自治体別の感染状況は報告されているが、重要な数字は国全体での感染状況で、さらに「自宅療養」とはフランスでは全く考えられない措置だ。そこで、数日前に話題になったのが、フランスの海外県、マルチニークから、Covid-19の患者3名がフランス本土に輸送されたことだ。

マルチニークからパリまでは直行便でも8-9時間の距離。あっというまにこの数週間で感染が拡大したマルチニークではもちろん医療体制が逼迫、即座に重症患者がフランス本土へ航空便で転院させられた。フランス本土内でも、感染状況はもちろん悪化しており、ワクチン接種が進むフランスでは重症患者こそ以前ほどの上昇ではないものの、医療現場も逼迫しはじめており、フランスでは当然のように空きがある別の自治体の病院への搬送が普通に始まっている。