教員免許がいらないフランスの教師

投稿日時 : 2022/06/01 17:30

「ヴェルサイユ学区のジョブデーティング:“先生になるには免状がいると思っていたのに”」
Libération紙のウェブサイトより。
写真は今年の1月22日パリ郊外の中学で、先生不足に抗議したストライキの様子。「先生不足、代わりの先生はどこ?」

5月30日(月)国営放送のお昼のニュースで取り上げられたのは、教員不足に悩むパリ西部のヴェルサイユ学区の公立小学校が行っている「ジョブデーティング」。

これは、男女が限られた時間でパートナーを見つける「スピードデーティング」と同じ方式で、30分の面接で、先生を見つけるというものだ。

募集の条件は、大学卒3年(Bac+3:バックプリュス3。日本での学士)というだけだという。これで不足する2000の採用が見込まれるという。契約は更新可能な一年契約だが、条件がかなり緩いため、様々な職種からの応募者が集まったという。

もちろん、教員組合などからは、教員の質を下げることになるとか、教員の権利をないがしろにしているといった批判もあるが、企画したPole Emploi(ポール・アンプロワ:日本でいうハローワーク)によると、9月の新学期までにスピーディーに二千の教員を確保するためには最善のやり方だという。

この夏のバカンスでは人手不足で、バカンス地などのレストランやカフェ、娯楽施設などで営業を制限するところもあるようだが、同じく人手不足の教育現場ではそれはできず、対応が求められているようだ。