フランスの学校の感染症対策設備

投稿日時 : 2021/09/01 17:30

「新学期:学校には充分なCO2モニターがあるのか(そして誰が支払うのか)?」
20 Minutes紙のウェブサイトより。

フランスでは明日から新年度が始まる。日本でも新学期が始まったが、フランスで取り上げられているフランスの学校関連の話題に比べ、日本の子供たちの学校の状況の話題は日本のメディアはほとんど取り上げない。

毎年のことだが、新年度が始まるにあたって、フランスでは、文房具などの話題(アソシエーションなどによる格安の文房具の提供など)、教員の労働環境、大学生の経済状況はいつも取り上げられる。さらに、コロナ禍の今年は、教員や中高生のワクチン接種の話題、感染者が出た場合の対応や感染症対策について取り上げられている。

新学期の開始が明日に迫って話題にされているのが、学校の設備についてで、パリでは区によってだったり、自治体によって、CO2モニターを設置したり、空気清浄機を設置するところが出てきている。

教育大臣はCO2モニターの設置を推奨するというが、設置の予算は自治体に委ねるというのが現状だ。

フランスの学校(だけではなく、一般家庭や店舗なども含め)では、そもそも暖房はあるが、冷房もかねたエアコンはほぼ普及していないのが現状で、空気清浄機も日本に比べたらまったく普及していない。そこで、CO2モニターで教室の二酸化炭素濃度を見て、濃度が高くなったら窓を開けて換気するなどのアナログな対応をするという方針だ。

ただし、このCO2モニターにしても、空気清浄機にしても、その有効性は議論されている。

それでも一般家庭などでは、エアコンは環境に悪いという考え方で設置されない場合が多いが、空気清浄機については、そこまで電力も使わず、温暖化にもつながらないとされるので、それなりに売れ始めているという。ある試算によれば、2020年は8千万から1億ユーロ規模だったフランスの空気清浄機市場は、この10年で5億ユーロになるともいわれている。

空気清浄機について、今後問題となってくるのが、ヨーロッパ共通の品質を担保する基準とルール作りと学校などへの導入ではその設置費用の負担だ。