三つ巴の勢力
投稿日時 : 2024/06/24 17:30
この週末にいくつかの世論調査が発表されたが、傾向はほぼ同じで、極右政党RNがトップで、30-32%。次点が、左派連合のNFP(Nouveau Front Populaire:新国民戦線)で、28-30%。そして大統領の与党勢力は18-21%。
三つ巴状態だが、やはり与党勢力がかなりの苦戦で、メディアでは、もうマクロン大統領は終わりだとか、与党もマクロン大統領をポスターにも使わず、言及もしてなかったり、まさに泥船状態で、マクロン大統領が「終わった」後を見据えた動きになっている。一応選挙の顔は現首相で、「大統領の弟分」でもあるアタル氏が務めている。
マクロン大統領は日曜日に「国民への手紙」を公表し、あらためて今回の国会解散を説明し、一部で言われていたような大統領を辞任するという可能性は否定した。この「手紙」でも、特に指示が得られるような内容はないという受けとりが多いが、とりあえずは、大統領の辞任というシナリオがないことは(おそらく)明らかになった。
現在考えられるシナリオは:
・極右政党RNが絶対的過半数をとって、バルデラ氏が首相で、フランス史初の極右政党内閣が誕生。(バルデラ氏は絶対的過半数でなければ首相にはならないと、今のところ公言)
・左派連合が第一党になり、左派連合から首相が誕生。当然、極右政党からの内閣入りはないが、現与党勢力からも一部の大臣。
・極右政党RNが第一党であるものの、絶対的過半数でなく、極右政党RNが首相を拒否するなど、かなり組閣が難しくなり、不安定な状態に。この場合、第二回投票の結果や内容にもよる。
現与党勢力については、落ち目で、一部は極右政党RNに近づいていたり、マクロン大統領が今後どう動くかが誰もわからない(これまでも常に独断することがおおかった)という状況。
左派連合も、まとまった形をとっているが、やはり極左政党LFIがいる分、実はLFIに拒絶反応を示す人からは指示を得られておらず、首相候補についてもまだ一人に絞って提示できていなかったり、多少の不安要素はある。
そして極左政党RNは、提案する政策のほころびが散々指摘されている。経済しかり、年金問題しかり、ウクライナ支援など、ほぼ全ての政治問題に関して。ただし、そもそも、極左政党の支持者は、「理性的」ではなく、アメリカのトランプ氏の支持者のように「感情的」だったり、「いままで右も左もだめだったから、一度くらいは極右内閣を試してもよい」という支持者が多く、彼らの考え方を変えるのは難しいとも言われている。
それでもこの週末も、フランスの地方でも極右政党に対抗するデモが開催された。
次の日曜が第一回の投票で、それまでまだまだメディアでも様々な話題があるだろうし、政治家たちもふくめ、討論や解説、議論があるだろう。そして、フランスの選挙の通例で、前日の土曜はメディアでは一切、選挙関連の話題は取り上げられず、国民が冷静に自分で考える時間が作られることになっている。
三つ巴の勢力
投稿日時 : 2024/06/24 17:30
この週末にいくつかの世論調査が発表されたが、傾向はほぼ同じで、極右政党RNがトップで、30-32%。次点が、左派連合のNFP(Nouveau Front Populaire:新国民戦線)で、28-30%。そして大統領の与党勢力は18-21%。
三つ巴状態だが、やはり与党勢力がかなりの苦戦で、メディアでは、もうマクロン大統領は終わりだとか、与党もマクロン大統領をポスターにも使わず、言及もしてなかったり、まさに泥船状態で、マクロン大統領が「終わった」後を見据えた動きになっている。一応選挙の顔は現首相で、「大統領の弟分」でもあるアタル氏が務めている。
マクロン大統領は日曜日に「国民への手紙」を公表し、あらためて今回の国会解散を説明し、一部で言われていたような大統領を辞任するという可能性は否定した。この「手紙」でも、特に指示が得られるような内容はないという受けとりが多いが、とりあえずは、大統領の辞任というシナリオがないことは(おそらく)明らかになった。
現在考えられるシナリオは:
・極右政党RNが絶対的過半数をとって、バルデラ氏が首相で、フランス史初の極右政党内閣が誕生。(バルデラ氏は絶対的過半数でなければ首相にはならないと、今のところ公言)
・左派連合が第一党になり、左派連合から首相が誕生。当然、極右政党からの内閣入りはないが、現与党勢力からも一部の大臣。
・極右政党RNが第一党であるものの、絶対的過半数でなく、極右政党RNが首相を拒否するなど、かなり組閣が難しくなり、不安定な状態に。この場合、第二回投票の結果や内容にもよる。
現与党勢力については、落ち目で、一部は極右政党RNに近づいていたり、マクロン大統領が今後どう動くかが誰もわからない(これまでも常に独断することがおおかった)という状況。
左派連合も、まとまった形をとっているが、やはり極左政党LFIがいる分、実はLFIに拒絶反応を示す人からは指示を得られておらず、首相候補についてもまだ一人に絞って提示できていなかったり、多少の不安要素はある。
そして極左政党RNは、提案する政策のほころびが散々指摘されている。経済しかり、年金問題しかり、ウクライナ支援など、ほぼ全ての政治問題に関して。ただし、そもそも、極左政党の支持者は、「理性的」ではなく、アメリカのトランプ氏の支持者のように「感情的」だったり、「いままで右も左もだめだったから、一度くらいは極右内閣を試してもよい」という支持者が多く、彼らの考え方を変えるのは難しいとも言われている。
それでもこの週末も、フランスの地方でも極右政党に対抗するデモが開催された。
次の日曜が第一回の投票で、それまでまだまだメディアでも様々な話題があるだろうし、政治家たちもふくめ、討論や解説、議論があるだろう。そして、フランスの選挙の通例で、前日の土曜はメディアでは一切、選挙関連の話題は取り上げられず、国民が冷静に自分で考える時間が作られることになっている。