選択肢が多いフランスの選挙

投稿日時 : 2021/09/13 17:30

Youtubeでも視聴できるニュース専門チャンネルFrance 24より。
大統領選への出馬の公式発表をするアンヌ・イダルゴ氏。

フランスではこの週末、来年の大統領選挙に向けて、二人の女性が公式に立候補を表明した。

一人は、日本でも一部では取り上げられているが、パリ市長のアンヌ・イダルゴ氏。もともと出馬が予想されており、公式発表はタイミングの問題だったが、訪問先のルーアンで発表した。

この公式発表を受け、メディアでも彼女の戦略を分析したり、解説したり。パリ市長としてさまざまな取り組みをしてきたイダルゴ氏としては、いかに「脱パリ化」を果たして、「全てのフランス国民の大統領」たる資質とビジョンを示せるかが一つの大きなポイントだとされる。また、二回の投票制度で、二回目は一対一の投票になるフランスの選挙制度で、決戦まで残るため、そして決戦で勝つには、いかに左派系の投票を集められるかも重要だ。

そしてもう一人が、逆の極右政党のマリーヌ・ルペン氏だ。こちらも出馬は当然とされていたが、公式に発表し、選挙キャンペーンを始めた。これまでの世論調査などでは、2022年の大統領選挙でも、まだ公式には発表していない現大統領のマクロン氏とルペン氏の決選投票になるとされている。

ただし、右派系の大統領候補は多く、まだ全ての候補がそろってもいなく、確定もしていない状況だ。大きなところでは、現大統領のマクロン氏のほか、21世紀に入ってからメディアを賑わわせている政治ジャーナリスト、エリック・ゼムール氏の動向も注目されている。彼は、ジャーナリストや作家という肩書きだが、政治経済の解説やコメンテーターとして、かなり激しい言説をしており、これまでも人種差別主義的な発言や、ヘイトスピーチ的な発言で裁判を起こされたり、判決も受けたりしている。彼が出馬するとなると、極右はもちろん、右派系候補の間のパワーバランスが大きく変わってくると言われている。

エコロジー系政党の統一候補選びなどもこれからで、年内には正式な候補も決まるだろうが、来年の5月まで、大統領選挙関連の話題は尽きないだろう。新しいテレビドラマシーズンとか、リアリティショーが始まったかのように成り行きが注目される。