戦争は経済紙でも

投稿日時 : 2022/03/09 17:30

「ロシア政府はキエフを包囲しようとしている」
経済紙Les Echosのウェブサイトより。

ウクライナ戦争の報道は日本とフランスでは全く違う。日本の主要メディアなどでは、女性や子どもが避難している様子や、攻撃されている都市の様子など、感情に訴えるようなものが多くを占めているように見え、多角的な視点は見られない。

フランスはかなり様々な意見や解説がみられる。極端なところでは、親ロシア系の意見もあり、「これは戦争ではなく、ウクライナのネオナチに対しての特殊作戦である」といいはるフランス人もいれば、「サッカーできるお友達ができる」とウクライナからの避難民の受け入れを父親に頼む10歳の男の子もいる。戦況の分析も、中国の動きや、ロシアの過去や未来も踏まえた解説や、チェスや将棋の分析のように戦況を分析するものもある。

3月8日夜の経済紙Les Echosのウェブサイトの記事の概要は:
・決定的な突撃をまえに、ロシア軍は4500キエフを取り囲もうとしている。
・ロシア軍が12日間の戦闘で失った兵士の数は、アフガニスタンの2年に相当するようだ。
・アメリカとイギリスはロシアの原油の輸入を禁止。
・ウクライナ側の四つの柱は:アメリカ製対戦車砲、対空砲の他、春の雪解けでできた泥、そしてウクライナでよく使われているTikTokだという。
・アメリカによると4500、ヨーロッパによると6000のロシア兵士がすでに命を落としたとされる。ちなみにロシア発表だと498で、ウクライナ発表だと12000。
・交渉はあいかわらず不透明。
・経済制裁は拡大。テクノロジー産業以外でもロシアでの活動を停止する企業があいついでいる。