食料の無駄

投稿日時 : 2019/10/16 18:30

「食料浪費:未買商品を減らすための策が続々と」
20 Minutes紙のサイトより。

本日、10月16日は世界食料デー。日本ではほとんど話題にされていないが、フランスのメディアは本日の大きな話題として取り上げている。

日本語では「食品ロス」または「フードロス」という言葉で、消費者庁の定義によると「食品ロスとは、まだ食べられるのに廃棄される食品のことです」という。フランス語では「Gaspillage alimentaire」(Gaspillage:無駄・浪費、とalimentaire:食品・食料に関する)。ちなみに英語では、「Food waste」日本語の「ロス」という和製英語(?)がどこからきたのか不明だが、日本の定義では、浪費のことを指すのではなく、「食品」が主体で、元々の英語やフランス語での主体であった「浪費」が陰を潜めている感じがする。

日本では、そもそもこの「食料浪費」の問題自体が大きく取り上げられないうえに、取り上げられても、多くの場合が、廃棄される「食品」にばかり焦点が当てられて、「浪費」自体の消費者行動や経済構造などはあまり問題にされない。かえってフランスでは、問題は、他の環境関連問題と同じく、Gaspillage(無駄)にあり、地球資源の無駄と同じく、食料でも無駄が論じられている。

フランスでは毎年、1000万トンもの食料が廃棄されており、これは年間国民一人あたり150kgの食料を廃棄しているという試算がある。

この食品浪費は、ここ数年で問題になっており、すでにスーパーなどでは売れ残りを避けるために「サプライズパック」として格安で売れ残りの食品を販売したり、個人がアソシエーションなどに食品を寄付するさまざまな仕組みや取り組みがあったり、スマホのアプリでも食品浪費を避ける手助けをするものも多くある。

ある世論調査では、国民の9割以上が食品浪費に気をつけているというが、実際の取り組み方はそれぞれだという。最近の流行は、売れ残りをまとめたパッケージだ。さらには、売れ残りの食品を集めて、アソシエーションなどに配布する会社などもできている。消費者や小売店はもちろん、生産者もこの食品浪費の改善に努めているが、いまだ14%の食品が、生産者から消費者に届くまでに失われているという。

フランスは2025年までに、現在の食品浪費の量を半減するという数値目標を国として掲げているが、一般の消費者も浪費行動の改善を努めている。

食品浪費のための特設サイト。16octobre.frのトップページ。