先送りする日本と、前倒しのフランス

投稿日時 : 2021/06/17 17:30

「Covid-19:フランス国民の1/4がすでに完全にワクチン接種を終えた」
Le Parisien紙のウェブサイトより。

「専門家に諮る」とか「状況を総合的に判断」しながら、様々な決断を先送りし続ける日本(政府)に慣れてしまうと、フランス(政府)のここ数週間、数ヶ月の動きから目につくのは、先を見据えた具体的な対応と、前倒しの臨機応変さだ。

昨日の会見でカステックス首相が発表したのが、やはり前倒しの対策。まずは、本日から屋外でのマスク着用義務の解除。そして、大きいのは30日に予定されていた夜間外出制限の解除が前倒しで、20日からとなった。

この前倒し策を支えるのがフランスの感染状況の改善だ。一日の新規感染者数もついに4000人もきり、実効再生産数も病院の逼迫状況もかなりの改善。二度のワクチン接種を終えた国民の割合も4人に1人になったという。

ただし。

とりあえず、今朝のフランスでは、完全にマスクをしていない人は半分くらいだという。コロナ禍が始まった1年以上前は、マスクにかなり否定的だったフランス人だが、かなり景色が変わったようだ。

また、政府のこの「前倒し」の対応だが、先週から見られている若者による夜まで続くゲリラパーティーや、サッカー観戦などで夜遅くまで外にいる人たちなどの取り締まりが大変だからとか、今週末からはじまる地方選挙対策だとか、さらにその先の大統領選をみこした戦略てきな政治判断という見方もある。

理由はともかく、やはりフランスの対応は早く、対応が遅い日本のオリンピックも、日本のことも眼中にないようにみえる。