感染症どころではないところもある。

投稿日時 : 2021/08/24 17:30

「マルセイユでは、血まみれの夏が終わらない」
8月24日付けのLe Monde紙より。

フランスでこの夏、悲しく怖い連載のように新聞などで取り上げられているのが、マルセイユで続いている麻薬取引を巡る殺人事件だ。

すでに今年に入ってから15人が死亡し、中には十代の若者もいた。先週の週末も2つの事件(関連があるという情報もあるという)で、3人の若者が死亡。それ以前にも、流れ弾などの破片で8歳の子供がけがを負うという事件もあった。

マルセイユで麻薬が取引されている場所は誰もが知っている場所で、その集合住宅では、どのに麻薬がストックしてあって、どこにその取引をしているグループがいるかなども、住民も承知しているという。ただ、住民が恐れているのは、最近活発になっている麻薬取引グルーブ間の抗争に巻き込まれて、流れ弾などにあたることで、麻薬グループも住民たちには、警察に通報するなどの取引を妨げる行為をしないように警告したり、賄賂のような金銭や物品を配ったりして、「良好な」関係を築いているという。

抗争による被害者が若年化しているのは、見張り役などの募集はいまや現地ではなく、SNS上などで行って、まるで夏休みのバイトかのように、フランス全土からマルセイユにやってくる若者たちがいるからだという調査もあるという。

自治体や国も事態を重く見ているものの、実際にどこまで改善されるかはわからず、フランスで時たま話題にあがる大麻の合法化とう議論もでてきているくらいだ。合法化すれば、麻薬の取引もなくなるという論理だが…。