戦々恐々。
投稿日時 : 2024/07/01 17:30
日本でも、フランスの国会議員選挙の第一回の投票のニュースは報じられている。ただ、大統領与党の大敗と、極右政党RNの躍進という大きなポイントにとどまっている。
フランスでは、昨晩20時の開票発表からすぐに傾向が発表され、生放送のテレビ番組では各政党の代表が論戦するなど、次の日曜日の決選投票までのラストスパートが始まった。
決選投票での大きなポイントは、極右政党RNが単独で過半数をとれるかどうか。
第一回の投票では、もちろん、勢いはあるものの、単独でとれるかどうかは微妙で、調査分析によっては、可能とするものもあったり、単独では不可能という分析もある。
これは、極右政党RN党首の28歳のバルデラ氏は、単独過半数でなければ首相にはならないとしていること、フランスでは国会の第一党の政党の党首(代表)から大統領が首相を任命することが慣例となっていることがあるからだ。
そこで問題になってくるのが次の日曜の決選投票のシステム。
第一回の投票では、選挙区の投票の過半数、または選挙区の有権者全体の25%の得票を得た候補者が当選となるが、この条件を満たす当選者がいない場合、決選投票となる。決選投票では、選挙区の有権者(投票者ではない)の12.5%の得票を得た人が決選投票に進むことになる。
決選投票がある場合、2人の決選となる場合もあるが、3人の場合もある。これがいわゆる「決選投票の三つ巴状態」だ。これまではこのケースがあっても、その数が少なかったが、今回は、フランス全体の投票率が65%以上と、歴史的に高い投票率で、さらに、小選挙区制のフランスの600近い全体の選挙区の半数近くで決選投票が行われる。
そして、極右政党が決選に進む場合、「選挙協力」とか「共和戦線」、「反極右」などで、三位の候補(トップが極右で、他の政党が2位と3位の場合)が自主的に、あるいはその政党の方針で、出馬を取り下げ、実質的に極右と反極右の二者択一にして、極右政党に議席を渡さないという戦略がとられる。
すでに、左派連合では、第一回の投票の前から、決選投票で左派連合が三位の場合は、立候補を取り下げると明言しており、昨日の結果発表後も、党の代表を始め、そのような発言が繰り返された。ただし、大統領の与党勢力は、明言を避けている政治家などもいる。
こうした構図から、決選投票の行方はかなり不透明で、いかなる分析もはっきりと予想は出来ないとされている。
さらに、いくら政治家などが、反極右を訴えたところろで、各小選挙区での市民の動きはその地域の事情もあったり、そもそも、実際の投票所で最終的にどのような個人的判断がされるかは、右も左もわからないという。
パリでは投票結果発表直後、「反極右」を訴える市民が集まったり、SNSでも反極右を訴える投稿、そして逆に勢いがついた親極右的な投稿も増えている。
来週の結果次第、あるいはいかなる結果でも、パリはもちろん、フランス各地で、そして象徴的な施設やスポットで、最悪の場合は暴動などがあることも懸念されているくらいだ。すでに大臣の変更が必死の内務省でも警戒を強めているという。
さらに結果が出た一週間後は、7月14日だし、パリ五輪も控えている。7月いっぱい、あるいはこの夏、もしくは年内、さらにはこれから一年は、フランスはかなり不安定な状況になるように見える。一週間後、どのような政府が誕生するにしても、それに不満なグループは、デモやストも含め何らかの行動にでるだろうし、フランスの経済も反応するとされる。
戦々恐々。
投稿日時 : 2024/07/01 17:30
日本でも、フランスの国会議員選挙の第一回の投票のニュースは報じられている。ただ、大統領与党の大敗と、極右政党RNの躍進という大きなポイントにとどまっている。
フランスでは、昨晩20時の開票発表からすぐに傾向が発表され、生放送のテレビ番組では各政党の代表が論戦するなど、次の日曜日の決選投票までのラストスパートが始まった。
決選投票での大きなポイントは、極右政党RNが単独で過半数をとれるかどうか。
第一回の投票では、もちろん、勢いはあるものの、単独でとれるかどうかは微妙で、調査分析によっては、可能とするものもあったり、単独では不可能という分析もある。
これは、極右政党RN党首の28歳のバルデラ氏は、単独過半数でなければ首相にはならないとしていること、フランスでは国会の第一党の政党の党首(代表)から大統領が首相を任命することが慣例となっていることがあるからだ。
そこで問題になってくるのが次の日曜の決選投票のシステム。
第一回の投票では、選挙区の投票の過半数、または選挙区の有権者全体の25%の得票を得た候補者が当選となるが、この条件を満たす当選者がいない場合、決選投票となる。決選投票では、選挙区の有権者(投票者ではない)の12.5%の得票を得た人が決選投票に進むことになる。
決選投票がある場合、2人の決選となる場合もあるが、3人の場合もある。これがいわゆる「決選投票の三つ巴状態」だ。これまではこのケースがあっても、その数が少なかったが、今回は、フランス全体の投票率が65%以上と、歴史的に高い投票率で、さらに、小選挙区制のフランスの600近い全体の選挙区の半数近くで決選投票が行われる。
そして、極右政党が決選に進む場合、「選挙協力」とか「共和戦線」、「反極右」などで、三位の候補(トップが極右で、他の政党が2位と3位の場合)が自主的に、あるいはその政党の方針で、出馬を取り下げ、実質的に極右と反極右の二者択一にして、極右政党に議席を渡さないという戦略がとられる。
すでに、左派連合では、第一回の投票の前から、決選投票で左派連合が三位の場合は、立候補を取り下げると明言しており、昨日の結果発表後も、党の代表を始め、そのような発言が繰り返された。ただし、大統領の与党勢力は、明言を避けている政治家などもいる。
こうした構図から、決選投票の行方はかなり不透明で、いかなる分析もはっきりと予想は出来ないとされている。
さらに、いくら政治家などが、反極右を訴えたところろで、各小選挙区での市民の動きはその地域の事情もあったり、そもそも、実際の投票所で最終的にどのような個人的判断がされるかは、右も左もわからないという。
パリでは投票結果発表直後、「反極右」を訴える市民が集まったり、SNSでも反極右を訴える投稿、そして逆に勢いがついた親極右的な投稿も増えている。
来週の結果次第、あるいはいかなる結果でも、パリはもちろん、フランス各地で、そして象徴的な施設やスポットで、最悪の場合は暴動などがあることも懸念されているくらいだ。すでに大臣の変更が必死の内務省でも警戒を強めているという。
さらに結果が出た一週間後は、7月14日だし、パリ五輪も控えている。7月いっぱい、あるいはこの夏、もしくは年内、さらにはこれから一年は、フランスはかなり不安定な状況になるように見える。一週間後、どのような政府が誕生するにしても、それに不満なグループは、デモやストも含め何らかの行動にでるだろうし、フランスの経済も反応するとされる。