結末、あるいはスタートはいかに。

投稿日時 : 2024/08/26 17:30

「首相の任命:エマニュエル・マクロンは、左派に対して、自らの戦略の罠に陥る」
Le Monde紙のウェブサイトより。

夏前から続いているフランスの新首相の問題。週末を挟んで、マクロン大統領との話し合いは、本日、極右政党RNとその協力政党との面会で一応終わる。

最初に面会した左派連合LFIとその推薦首相候補リュシー・カステ氏は、その後のメディア対応では、かなりポジティブな受け答えをしていたが、具体的な約束や条件など、会見の詳細については明言せず。ただ、かなり満足な様子とポジティブな反応を見せるという、ある種のメディア戦略に徹している。

一方で、続いての会合に呼ばれた大統領勢力などは、ノーコメントがおおかったものの、ポイントとしては、それまでの主張通りに、極左政党LFIから大臣が選ばれた場合(当然、首相はリュシー・カステ氏)、不信任案を提出するという立場は変えず。

フランスのメディアでの解説のポイントの一つが、この不信任案で、選ばれる首相によって、さらにどのように選ばれるかによって、他の勢力から不信任案が出される可能性があり、さらに不信任案が通る可能性もあるという。リュシー・カステ氏についても、任命されても、なんらかのシナリオで1ヶ月ほどで不信任案が可決され、後退する可能性も大きいという。

大統領としては、「多数派」からの首相、そして「安定政権」もポイントで、そのコンセンサスを全ての(あるいは多くの)グループから得ることが大事とされるが、これがかなり難しい。

さらに、この状況で、従来は意思が硬いことが多かった極左政党LFIが、自身の政党から大臣を出さなくてもよい、という立場を明確にし、リュシー・カステ氏首相で、LFIからは大臣を出さないことで、大統領派などからのコンセンサスをえようとしている。たとえ、大統領や大統領派がこの条件をのんだとしても、実際に不信任案が出された場合に、各議員が自らのグループのお達しに従うかどうかもわからない。

そして、本日大統領と面会する極右政党RNがどのような立場をとるのか。

マクロン大統領はフランス時間火曜日中には新首相の発表をするといわれているが、最後までどうなるかわからないようだ。