それでもバカンスモードのフランス?

投稿日時 : 2024/07/09 17:40

「新人民戦線(NFP:Nouveau Front populaire)はどうやって年金制度改革を廃止するのか」
経済紙Les Echosのウェブサイトより。

昨日、総選挙で負けた通例にそって、アタル首相は、マクロン大統領に「辞任届」の手紙を渡した。

ただし、大統領は、「いまのところ(pour le moment)」辞任は認めず、現状維持となり、マクロン大統領は公に発言することもなく、今日からNATOの会議に出席するために渡米する。

つまり、新しい首相はきまらず。左派連合の新人民戦線(NFP)は、自分たちが国会の第一党だとして、今週中には構成する四党の話し合いで、マクロン大統領に提案する首相を決めるという。

しかし、大統領系グループ(国会では第二のグループだが、ここも実は複数の政党に分かれている)は、自身のグループから首相を出すことも諦めていないよう。

もちろん、メディアでは、ジャーナリストや様々な専門家が、今後の国会についてなど、解説や分析をするものの、何も決まらないうちには全ては仮定と憶測の話ばかり。NFPは、年金制度改革の廃止も政策として提案していたが、どうやって実現するのか、緊急とされる経済政策もどうするのか、どのような内閣になるにせよ、課題は山積している。

しかし、スケジュール的にも、憲法的にも、9月まで新内閣は決まらないという可能性がある。

本日はサッカーのユーロ杯の準決勝のフランス・スペイン。もし、決勝にすすめば、14日。14日は14 Juilletの軍事パレードがあり、それまでに動くことはないとされている。そして18日は国会の議長を決めることになっており、まずここで新しい国会でどのようなグループが出来るのかがわかるという。
そしてその一週間後にはオリンピックが始まり、何があるかわからず、内閣を替えるタイミングではないとされる。

そして、そもそも。今週から本格的なバカンスシーズンが始まっており、学校はもちろん(バカロレアの発表もあった)、テレビも通常の番組は終わって、バカンスモードで、本来ならば政治家もバカンスモードのフランスなので、バカンス期間に何も動かなくても誰もそんなに問題にしないという国民性がある。

ちなみに、選挙が終わった途端、バカンスモードもオンになったようだが、ストライキの予告も始まり、17日は空港職員の組合が予告している。