追加接種に舵を切ったフランス

投稿日時 : 2021/11/26 17:30

「オリヴィエ・ヴェラン保健大臣は、第五波に対して、コンフィヌモンも外出制限も避ける」
仏版Huffpostのウェブサイトより。

昨日、11月25日(木)の昼すぎにフランスの保健大臣はフランスで急拡大している感染症の第五波に対抗する方針を発表した。

日本でもその内容が報じられているが、発表ではいかにもフランス政府らしく、フランス国民に訴えかけるような発表の仕方だった。

過去に同様の会見パターンでは、コンフィヌモン(自宅隔離、ロックダウン)や外出制限の発表があったことなどから、今回もかなり制限がかかるのではという恐れがあった。ところが、導入部分で、最初に大臣が語ったのは、「今回お話しするのは、コンフィヌモンでもなければ、外出制限でもありませんし、商業施設の営業時間の短縮でもなければ、移動の制限でもありません」と国民を安心させることから始めた。

このプレゼンの仕方は、メインのメッセージをよく伝えるためによく考えられた戦略だという分析もある。そして、次に大臣が訴えかけたのは、国民の「自由」と「責任感」だ。

そして、メインの方針は、「追加接種」、「衛生パス」、そして「感染症対策」だ。
追加接種(三回目のワクチン接種)については、夏の終わりには、現在の日本のようにまずは高齢者や医療従事者から、そして二回目のワクチン接種から6ヶ月以上から、という話だったが、先週には50歳以上になっていた。それが、昨日の発表では、1)二度目の接種から5ヶ月以上経っている、2)18歳以上の全ての国民、となり、完全に追加接種の拡大に舵をきった。

そして現在、レストランなどに入るときに必要になる衛生パスも、追加接種をしていない場合、1月15日以降は無効になるとし、追加接種の推進とあわせて国民の「責任感」でウィズコロナの生活をまもろうという方針だ。

感染症対策も、マスクの着用義務を再開させたり、ソーシャルディスタンスやテレワークも推奨するなど、この冬を乗り切ろうと指針を発表した。

専門家によると、この第五波のピークは12月初めと予測しているという。

昨日の発表を受けて、オンラインのワクチン接種予約は120万以上の申込みがあったという。