ウィズコロナのフランス語

投稿日時 : 2020/11/06 18:00

「再コンフィヌモン:高校では生徒の100%の出席は終了」
経済紙 Les Echosのサイトより。

本日のフランスの大きな話題の一つは、よわまる気配のないフランスでのCovid-19感染に対する様々な施策のなかでも、高校に関するものだ。

一つは、昨年度(今年の6月)すでに簡素化されたバカロレアが、今年度もさらに、そしてより簡素化される方針という発表。日本とは大学入学のシステムが違うので、日本では共通テストが大幅に変更されてその代わりに高校の内申点が考慮さえることは考えられないが、フランスでは今後の状況次第ではかなり簡略化されたバカロレアになる可能性すらある。

そして、内申点を考慮するということと矛盾するようだが、これまではリモート授業は高校ではほぼ行われていなかったのが、リモート授業を推奨するという方針に転換すると文部大臣が発表した。そして、授業全体の50%がリモートでもよいということになった。この方針のもと、各高校が判断することになる。

こうした話題でも使われている新しいフランス語が、「présentiel(le):形容詞」だ。これは、日本語でも最近よく使われる「リモート」と同様のフランス語「distantiel / distanciel」の対義語だ。Distancielは、Distanceの形容詞で、特に教育について、今流行のオンラインレッスンだけではなく、メールで課題をおくるものや、郵便で送るすべての「遠隔」の教育を示す。これに対して、従来の出席型、教育を与えるものと受けるものが同じ空間にいるものが「Présentiel」となる。

この言葉はもともと存在していたが、そもそも以前は、「リモート」の(フランスでは「ディスタンシエル」)レッスンなどがかなりの少数派だったが、現在は「プレザンシエル」が出来ないという状況の代替案としての「ディスタンシエル」が語られており、高校ではまさに半分の授業がディスタンシエルになっていくようだ。

コンフィヌモンも、もともと存在したフランス語ではあるが、現代で、現代的な意味と現実で、使われている言葉だ。