まだまだ続くフランスの政治劇。

投稿日時 : 2024/07/16 17:30

「解決間近か、泥沼か?新人民戦線(NFP)はまだ首相官邸を拒否しない」
Libération紙のウェブサイトより。

7月14日、フランスの革命記念日も無事に終わったが、フランスの次の首相候補はまだ決まらない。

総選挙で極右政党RNを破った左派連合、新人民戦線(NFP)は、当初は「今週中に」統一首相候補の名前を発表するとしたものの、構成する4党間での秘密裏の会合ではなかなかきまらず。

この週末をへて際立ってきたのが、極左政党LFI、社会党、エコロジー政党、共産党からなるNFPの「内輪もめ」。

エコロジー政党と共産党については、この首相候補や組閣については、他の二党ほどこだわりはなく、柔軟とされる。問題は、四党のなかでも議員が一番多いというLFIと、「数え方」では同じくらいの議員数がおり、その中には元大統領のオランド氏という重鎮も抱える社会党が、お互いを牽制するような立場をとっているという。

首相候補については、メディアに情報が漏れたり、外野からの干渉をさけるために、党幹部などは、ジャーナリストから隠れるように会合を重ねているという。先週末に名前がでた海外県の議員については、社会党が拒否権のようなものを発動したり、社会党は党首しか推薦していなく、左派連合からも社会党に対する非難のコメントが出始めている。昨日から今度は、民間からの女性の名前も挙がっているが、これはLFIなどから、受け入れられないというコメントも。

「民主的な投票」で決めたらよいという考え方もあるが、それではそもそも議員数が多いLFIの希望どおりになる、あるいはLFI以外の三党が共同するなど、左派連合に亀裂がでる、ということで、党幹部での話し合いが進んでいるようだが、話し合いの過程で、そもそも、「反極右」で「最低限」の合意で集まった左派連合にほころびが出始めているようにも見える。

とりあえずは18日に迫った国会議長の選出と、国会での役職の決定が優先事項となってきたが、国会議長を出した党からは首相は出さないなどという駆け引きもあり、今週はさらにいろいろな事がありそうで、毎週新しいエピソードがあるはずのテレビドラマが、毎日新しいエピソードが出る感じだ。

ただし、バカンスシーズンが本格的にはじまり、オリンピックもいよいよ来週からというフランスで、国民はいい加減こうした政治劇にうんざりしてきたという感じもなくはない。