3週間後、三つ巴のフランス議員選挙。

投稿日時 : 2024/06/11 17:30

「議員選挙2024:エマニュエル・マクロンはいかにこのポーカー戦術に勝とうとしているのか」
経済紙Les Echosのウェブサイトより。

6月9日のヨーロッパ議員選挙の結果は、それなりの一大ニュースではあったものの、世論調査の予想通りだった。極右政党がトップであることも、エコロジー政党が後退すること、与党連合がほぼダブルスコアで負けたこと、社会党系がわりと票を伸ばすことなど。

ただし、マクロン大統領が1997年のシラク大統領以来の国会の解散に踏み切ったことは、「自殺行為」だとか、「Harakiri」だとか、「一か八かの賭け(ポーカー)」にでたとか、これは「マクロンかカオスか」だとか、いろいろな言葉で表現されている。

そして、史上最短で行われる3週間後の国会議員選挙だが、大統領が国会を解散した後は一定の期間内に選挙と決められているものの、7月14日前後に選挙をするわけにもいかず、この最短の日程になったという。そしてこれも、マクロン大統領の計算のうちにあって、短期決戦で、このタイミングのほうが勝てるとふんだとされている。

早速に、左派勢力は社会党・共産党・極左政党LFI、そしてエコロジー政党は一致団結をし、選挙協力をすると発表、支持者の市民も、日曜の夜にパリで自発的に集まり、連帯と反極右政党を訴えた。

そしてトップになった極右政党RNだが、議員選挙では、もちろん絶対的過半数をとり、フランス政治初の極右政党からの首相を出すことが目的で、他の極右政党との選挙協力を探り始めたが、左派系とは違い、すぐには落としどころは見つからず。

与党勢力、そして右派、中道に関しても、現状では、左派系のように連携がとれるような気配はない。

そして、メディアでは、もちろん、様々な解説や展望などが、政治家やジャーナリストからあらゆるシナリオなどがでている。もちろん、極右政党RN党首のバルデラ氏が首相になるというものもあれば、結果次第では、マクロン大統領は辞任を宣言するというものまで。

3週間たらずの短い選挙期間で、これから議論の論点が数点に絞られてくるが、これもこれからどのような問題が焦点になるのか明らかになるだろう。

日本の政治は、高齢者たちの一強でしかなく、アメリカの大統領選挙は後期高齢者の一騎打ちだが、フランスの議員選挙はいずれも「若手」が顔になっている三つの大きな流れの戦いだ。三つとは、マクロン大統領(46)やアタル現首相(34)の与党、ジョルダン・バルデラ氏(28)の極右政党、グリュックスマン氏(44)が顔の社会党だ。

ところで、国民の側から見れば、実に93%の選挙区で極右政党RNが第一党だったヨーロッパ議員選挙だが、3週間後のフランス国内の議員選挙については、問題は(ついに)、「極右政党からの首相を望むかどうか」ということになるとも言われている。