プールの危機

投稿日時 : 2022/09/07 17:30

「プールの閉鎖:水泳連盟は、“即時の”再開を要望」
仏版ハフポストのウェブサイトより。

9月からの光熱費の値上げなどにより、今週の月曜日から、フランスでは30近くのプールが閉鎖している。そしてこの流れは止まらないようで、関係団体などが警鐘を鳴らしている。これらのプールは公営プールで、公的なサービスとして提供を続けるべきだという。

フランスの水泳連盟は、自治体だけではなく、政府にも援助を求め、国民の健康のため、夏に泳げない子どもなどが溺死しないように、プールの営業を続けられるように求めている。さらには、プールで働く人たちも休職を余儀なくされ、これも問題の一つだ。

公営プールの光熱費・水道費は、通常の数倍になっているだけではなく、施設の老朽化も問題で、効率的にエネルギーを使えていないことも問題だという。実は、この夏の間も、光熱費の上昇の他にも、従業員などが確保できないという理由もあり、しまっていた公営プールがあり、バカンスに出かけられず、記録的な暑さだったフランスでは大変だったという。さらにややこしいのは、これらは公営プールだが、運営しているのは民間の会社で、この会社が採算がとれないという理由で閉鎖をしたが、閉鎖の決定権は自治体にあるという見解もあり、裁判沙汰になる可能性もあるという。

光熱費の上昇だけではなく、新年度の始まりからフランスでスローガンのようになっている「ソブリエテ(sobriété:謙虚さ、節制)」もあり、プライベートジェットが贅沢と無駄のシンボルのようにやり玉に挙がっているが、プールは公共サービスかどうかもSNSでは議論されていたりする。バカンスのビーチでのシャワーなどは、水不足の時期だったこともあり批判されていたが、プールに関してはどうなるか。これから冬にかけて、どこまでフランスの「節制」が拡がり、フランス人はどこまで受けいるのだろうか。