「新アペロ」

投稿日時 : 2020/03/27 17:30

「ワッツアペロ【訳注:フランスで人気の通話アプリWhatupと、アペロを掛け合わせた造語】、仮想アペロの成功の仕方」
マリ・クレール誌のサイトより


ついにアメリカが世界一の感染者がいる国になり、東京人たちが根拠のない買いだめに奔走するなか、自宅待機が10日をこえるフランスでの流行は、新しい「アペロ(アペリティフ)」。

夕食前、仕事終わりなどにビールやカクテルなどを飲みながら、ポテトチップスなどの軽いつまみを食べながら、おしゃべりをするというこの「アペロ」。アペリティフは日本語で訳すと「食前酒」、こうするとなんだかお洒落な習慣のように思われるが、日本で言うと「ちょっといっぱい」程度の習慣で、社交的で、おしゃべりや議論が好きなフランス人にとっては、日常の習慣だ。あえて、乱暴なたとえをすると、かつての日本での「こたつでミカン」と同じで、カフェのテラスや、夕方や日曜午後の友人宅で、軽いお酒とつまみでおしゃべりをするのは、おそらくフランス人が最もリラックスする時間の過ごし方の一つだろう。

国民総ひきこもりで、この習慣ができなくなってしまったが、21世紀のフランス人は、新しいアペロを産み出し、たちまち拡がっているという。「アペロ・スカイプ」とか、「Eアペロ」、「アペロビデオ」、「アペロ2.0」など、まだ呼称は統一されていないが、毎晩19時とか20時に、友だち同士がスカイプやグーグルハングアウト、FaceTimeなどでグループチャットで、それぞれが飲み物とつまみをもって集まってアペロをしている。

「自宅待機でレンヌ市民はアペロビデオを始める」
地方紙Ouest France紙のサイトより

テレビ番組でも、スカイプなどのテレビ電話が大活躍だ。

このため、Youtubeなどの動画視聴や、テレワークもあり、インターネットの通信量が膨大になっているが、全体の通信量の問題はもちろん、自宅にインターネット回線がない人、さらにスマホの契約で通信量の上限がある場合の問題、さらには、インターネットもなく、携帯電話の通信ができないところに住んでいる人の問題も発生している。

COVID-19は人びとの今後の生き方を変えるといわれている。

自分と家族と向き合う時間ができたことで、各自が人生について、社会について考えさせられている。よりエコロな社会になるとか、連帯・互助の価値、グローバルからローカルへの転換期など。そしてやはりインターネットはさらに発達するだろうと(フランスは5Gに懐疑的な風潮もあったが、この世界的危機で変わるかもしれない)。また、この期間で「コロナベビーブーム」があるかもという話も。

そしてこれらすべては「ビデオアペロ」でも話されている話題でもある。