平和の総司令官

投稿日時 : 2022/03/03 17:30

「ウクライナ:エマニュエル・マクロンは戦争の影響からフランスを“守る”」
経済紙Les Echosのウェブサイトより。

ロシアがウクライナに侵攻した翌日、テレビ演説を行ったマクロン大統領。そこでは近日中に状況などをお知らせすると言っていたが、昨日の朝、夜に再び国民に語ると発表し、テレビ演説を行った。

戦況の報告と、フランスの立場をあらためて説明した。先週と同じく、大統領の背後に掲げられたのは、フランスの国旗と、ヨーロッパの旗と、ウクライナの国旗だった。

ウクライナ情勢については、ロシアが攻撃者で、その攻撃に相当する制裁を約束したが、「フランスがロシアと戦争をしているわけではない」ともいい、ロシア大統領とは停戦に向けて「できる限りの」対話を続けるとした。

一方、国内に向けては、この戦争の影響が大きいとし、企業や国民の購買力にも多大な影響があると語ったが、大統領としての唯一の指針は、国民を守ることと語り、「経済的・社会的レジリエンス計画」に言及した。これは今後、政府が具体案を提案するとされる。

この演説を受けて、一部の解説者などは、戦時下の「Chef de guerre、戦争の総司令官」ではなく「平和の総司令官:chef de paix」としての演説であったと表現した。また、ひねくれた見方をすれば、この機会を利用して、4月の大統領選挙での支持の拡大を図っているともいえる。

大統領選挙への正式出馬表明は5日(金)までに届けなければならず、マクロン現大統領がどのように出馬表明をするかも注目されているが、この情勢下ではそこまで重要なポイントではなくなっており、いよいよ本格化する大統領選挙も、この非常事態下ではどうなるか予想がつかないようだ。