夏の風物詩

投稿日時 : 2022/07/29 17:30

「国民大移動の道中? 栄養士が車内で何を食べるか?」
仏版Huffpostのウェブサイトより。

日本ではパンデミックの第七波が収まる気配もなく、政府からも具体策はでず、メディアも人口数が違う都道府県ごとの新規感染者数だけをあいかわらず伝えている(フランスでは実効再生数や10万人あたりの一週間の感染者数が客観的・科学的数字として一般的になってもう二年)。

フランスではなぜか第七波はとくに何かをするわけではなく、収まりつつあるなか、8月が始まろうとしている。

今年は曜日の関係で7月末が週末になった。この時期は、数十年前から、「chassé-croisé」(シャッセ・クロワゼ)の時期で、長期のバカンスという概念も習慣もない日本には意味がわからず、訳すとすれば、「国民大移動」という感じだろうか。これは、7月にバカンスをとる「七月人(juillettiste:ジュイエティスト)」と8月にバカンスをとる「八月人(aoûtiens:アウシアン)」という人がいて言葉があるが、この二つの人種が交差するのが「シャッセ・クロワゼ」で、日本的にいうと、高速道路などの上りも下りも渋滞するという状況になる。

日本で言うとお盆の始まりと終わりが同時にある感じだろうか。メディアでは数日前から、この時期に関する記事などが多く、早朝に出発した方がよいか、夜中に出発した方がよいかというこの時期ならではの究極の二択や、運転中に眠らないようにはどうしたらよいか、長期の運転中の食事はどうしたらよいかなどといった話題が取り上げられている。

または、長期のバカンスではいつもはなかなかじっくりと読めなかった本を読むというのも定番の過ごし方で、最近の話題作や、お気に入りの作家の長編小説など、新聞や雑誌でもおすすめの読書が紹介されていたりする。