パリ五輪は無事に終わったが、政権交代はまだまだもめそう。

投稿日時 : 2024/08/27 17:30

「極左政党LFI、極右政党RN、極右化右派シオティ勢力は、エマニュエル・マクロンの新しい会合に呼ばれず」
地方紙Ouest Franceのウェブサイトより。

昨日の月曜日、最後に極右政党RNと極右政党に協力体制に舵を切った伝統的右派の代表シオティ氏がマクロン大統領と会談した。

その後、大統領府の発表で、マクロン大統領は「国家制度の安定」のためにはならないという理由で、左派連合が推薦するリュシー・カステ氏を首相にすることはないとし、本日、あらためて大統領が会合をするとした。
ただし、大統領の思惑・戦略通り、招集されたのは、極右と極左(そして極右に協力する右派)以外。

もちろん、左派連合からはすぐに反発の声があがっており、「次は、(リュシー・カステ氏の首相の下の)組閣などについて話すために大統領と会う」、「大統領の行動は民主主義に反する」など。本日の会合もどうなるかわからない。

やはり、よくいえば「三つ巴状態」、カオス状態はかわらすで、首相になる人物、大臣もしかり、その政党も貧乏くじのような感じで、この状態では野党側の方が戦略的に有利のようにも見える。反極右では一致団結したかに見えたフランスではあるが、こうなると、フランスの連帯(ソリダリテ)とはなんのことかとも見える。

三つ巴状態を踏まえて、今後のシナリオの可能性は:
(前提として、マクロン大統領は憲法によって三期目の出馬はないので、極端にいえば、別にどうなってもよいが、フランスの大統領として歴史に名を残すこと、あるいは単なるエゴのために動いているとされる)

・左派連合の内閣は、極左政党LFIからの大臣がいてもいなくても)、真ん中の勢力と極右勢力から不信任案が提出され、すぐに倒される可能性が大きく、ほぼ確実に1ヶ月程度で倒されるという。
・マクロン大統領が望むのは、極左と極右を除いた政党での連立内閣だが、この場合、四党からなる左派連合は分裂。分裂するばかりか、社会党などでは内部分裂もさらに大きくなる可能性があり、マクロン大統領はこれによって左派勢力全体の弱体化を狙っており、これは、2027年の大統領選挙を見据えての個人的戦略をねっている多くの政治家が望むことでもある。
・極右政党はもちろん、極左政党LFIも、究極の目標は2027年の大統領選で勝つことで、新しい政権とどのような関係になるかは、その究極の戦略次第ともいわれる。
・ポイントは左派連合が、マクロン大統領が望む通りに分裂するか、あるいは、左派連合の団結が崩せなければ、業を煮やしたマクロン大統領などが、今度は、ついに極右勢力と手を組んで強硬するか。さらに、この間に、左派連合があおり始めたように、一般市民が何らかの形でデモなどを起こすかどうか。