激しくなる議論

投稿日時 : 2022/01/06 17:30

「ワクチン未接種者の心肺蘇生の議論はなぜより複雑なのか」
仏版Huffpostのウェブサイトより。

年明けから3日間紛糾していたフランスの国会だが、夜通しの審議の末、本日早朝に現行の「衛生パス」を「ワクチンパス」に変更する法案が通った。

昨日も、今日も、フランスでは、(仮)大統領選候補者であるマクロン現大統領の発言がコメントされている。「計算ずく、戦略的な挑発的な発言」などといわれているが、首相を始め、政府も大統領の発言を援護、ワクチン接種をすすめるという原則はまげていない。

そして、有効なワクチン接種のみが通常の社会生活を継続する条件となる「ワクチンパス」が1月15日から施行されるべく進み出した。

そこで議論となっている一つの問題が、医療体制の逼迫だ。日本でも昨日あたりからようやく場当たり的なようにメディアでも語られ出したが、フランスでは医療体制が逼迫するかなり前前から、重症患者の大多数(九割ともいわれる)はワクチン未接種者だといわれている。

数日前になくなった双子のボグダノフ兄弟は、テレビタレントで有名だったが、ワクチン接種をせずにコロナで死亡した。今日も、テニス選手のジョコビッチがオーストラリアに入国拒否された話題も、ジョコビッチはワクチンを売っていないことがポイントとして取り上げられている。さらには、入院患者の5%は、偽の衛生パスを持っていたという報道もでている。

そして、(まだ)日本では考えられない議論は、自分勝手(自由)で、ワクチンを打たないで入院している重症患者の治療は優先的にすべきではない、というものだ。極端な意見だと、ワクチン未接種者は入院させるべきではないという意見もある。そして、こうした意見は最前線で二年近く戦っている医療従事者にも多いという。

マクロン大統領の「糞まみれ」発言は、こうした医療従事者などによりそい、9割近くはワクチンを打っている国民の心情に訴えかけたもので、そうした意味では大統領選挙を見据えた発言とされている。