スキャンダルまではいかない(だろう)が…

投稿日時 : 2022/04/01 17:30

「マッキンゼー問題:ヨーロッパの他の国に比べて、フランスの公的機関はコンサル会社に頼っていない」
経済紙Les Echosのウェブサイトより。

大統領選挙の第一回投票まで10日を切ったフランスで、先週あたりから大きく取り上げられているのが、「マッキンゼー問題」だ。

これは、先月、フランスの上院議会が発表した報告が発端で、国際的なコンサル会社、マッキンゼーが、フランス政府から請け負っていた事案についてだ。

大きなポイントは二つで、一つは、様々な官庁があらゆる事案(例えば、年金に関すること、ワクチン接種に関することなど)で、「アメリカの」「民間の」コンサル会社に、「莫大な」予算でコンサルを頼んでいたこと。

もう一つは、この会社が、過去何年間も法人税を支払っていないこと。

いずれも違法性はない、というのが政府を始め、マクロン現大統領も明言しているところではあるが、大統領選挙戦で、現大統領のマクロン氏と対峙するポイントがなかった対立候補たちにとっては、願ったりの「スキャンダル」となった。

これもあって、ウクライナ情勢の影響で上昇していたマクロン現大統領の支持率は、逆に下がり始めた。

ただし、この問題自体、どのくらい「ブラック」なのか、大統領選挙が終わるまでに明らかになることはないと見られるだけではなく、「グレー」な部分もあるかもしれないが、1990年代くらいから、国レベルはもちろん、地方でも、自治体が民間のコンサル会社に頼ることは良くあることで、公務員を使うよりも効率的な結果が得られるという話もある。さらに、経済紙Les Echosの記事にあるように、いくらアメリカ資本のコンサル会社に頼んでいる事案が大きくても、フランスはヨーロッパでもそこまで民間会社には頼っていないという話もある。

来週の日曜日の1回目の投票まで、来週もまだヨーロッパ情勢、フランス国内の動き次第で、まだ大統領選挙も流動的と言えるだろうか。