一難去ってまた一難。

投稿日時 : 2025/02/19 17:30

「ベタラム案件:フランソワ・バイルー首相は、当時の社会党大臣に責任を転嫁」
地方紙Ouest Franceのウェブサイトより。

先週後半からフランスのメディア、そして政界を騒がせているのが、フランスの地方の私立のカトリック系中高一貫校での問題。

これは、1970年代から90年代まで、この学校のカトリック系教師などが、生徒に対して体罰や性的行為を行っていたというもので、今年の2月1日に、1970年代から子どもたちに対して行われていた体罰や性被害についての事前調査を地方検事がはじめたことに始まった。すでに100以上の被害届が当時の生徒や家族などから出されており、容疑者も4人の名前が挙がっているという。そのうちの二人は聖職者ですでに死亡しているが、残る二人は一般人だが存命だという。

問題は、1990年代に教育大臣だった現首相のフランソワ・バイルー氏で、この問題を知っていたという報道があった。首相はこれを否定し、「知っていたら自分の子どもをこの学校には入れないでしょう」とか、バイルー氏に直接この問題を話したという人についても、「その人は知らない」など、否定した。もちろん、野党などはこの問題について国会などで追及しているが、ついには当時の首相であった社会党のジョスパン氏、さらには法務大臣だったギグー氏などの名前も挙げ批判をかわそうとしている。

一方で、地元の関係者などは、地元では知らない人はいなかったという人もいたり、バイルー氏は1975年から93年までは、この地域の地方議員だった。そして1997年この学校の校長でもあり神父だった人物は、性加害で裁判にかけられ、司法監視下にあったが、バチカンに非難していた。その後、1999年にも別の案件で訴えられると2000年には投身自殺している。これ以降、この学校の校長は神父ではなくなっているという。

この事件がどこまで大きくなり、最終的にバイルー首相の辞任まで行くのかわからないが、フランスのメディアでは、バイルー首相の発言には矛盾があったり、対応は時代遅れだといわれている。さらに当時の社会党内閣も巻き込んだことで、現在の内閣で協力をえたいはずの社会党とも亀裂が入り始めている。