中道vs極右vs極左

投稿日時 : 2022/03/24 17:45

仏版Huffpostのウェブサイトより。最新の10の世論調査をまとめた傾向。

「ウクライナ戦争」が始まってもうすぐ一ヶ月経つが、大統領選挙まであと2週間ちょっとになった。

戦争が始まってからマクロン現大統領は支持率を伸ばしていたが、ここへ来て少し下がり始めているとの調査もある。そして、マクロン現大統領と決選投票へ進むのは、極右系のマリーヌ・ルペン氏か、極左系のメランション氏かという構図になってきた。メランション氏とルペン氏の差は4-7ポイントあり、ルペン氏が優勢のようだが、そうは単純ではないとされる。

そもそも、世論調査がどこまで正しいかはかなり不確かで、これに答えているフランス国民、これを見ているフランス国民が実際の投票でどのように行動するかはわからないとされる。さらに、これからのラストスパートで問題になってくるのが、「vote utile(現実的な投票)」といわれるもので、信念や意思表示としての投票ではなく、決選投票に残る可能性がある候補に投票するという行動だ。

例えば、もうほとんど望みがない社会党候補の現パリ市長のイダルゴ氏支持者やエコロジー系のジャド氏支持者が、極左系のメランション氏に投票するとか。なので、決選投票に誰が進むのかはまさに蓋を開けてみないとわからず、わからない故に、それまではメディアでもSNSでも様々な解説や見解が交差する。

さらに、決戦で二者択一になっても、実は状況は同じで、誰が残るかによって、他の敗れた候補者の支持者がどちらにつくかはわからない。これが決選投票システムのだいご味であり、「民主的」な投票システムだ。マクロン現大統領が決戦に進むのは確実としても、決選投票で残るのがメランション氏でもルペン氏でも、マクロン現大統領支持以外全てが、もう一人の候補者につけば、マクロン現大統領は決戦で負けることになる。