銀行と環境問題

投稿日時 : 2020/01/21 18:00

「気候変動は、経済的損失と同意義になる恐れがある」
経済紙 La Tribuneのサイトより。

日本では、先日の首相の所信表明演説でも「成長戦略」とか「オリンピック」など、日本銀行も「金利」とか「景気」という言葉が先行しているように聞こえる。令和という新しい時代になったものの、昭和のオリンピックと時代と同じような言葉だが、フランスでは銀行も環境問題を語る。

月曜日にフランス銀行(la Banque de France)とスイスに本部がある国際決済銀行(Banque de règlements internationaux:Bank for international Settlements)が発表した報告によると、経済的損害や、無保険損失と並び、気候変動のリスクは、「グリーン・スワン(緑の白鳥:cygne ver)になる可能性があると警鐘を鳴らした。

これは経済の理論にある「ブラック・スワン(フランス語:cygne noir)」をもじったもので、「緑の白鳥」という予想できない事象になるということだ。フランス銀行の総裁は今回の発表の導入で、「極端な気候事象の発生の頻度や規模の増加は、経済的損失をもたらす可能性があり、それは直線的でも可逆的でもない」と言及。

この経済紙の記事では、中央銀行は、経済システムの安定を保持するという大きな役割があり、そのためにも、気候変動のリスクを分析するツールを開発しながらも、環境対策への投資をすべきとしている。そのためにも、各国の政府だけではなく、民間企業や市民運動などとも協力が必要としている。