ウィズコロナ、デジタル、外食・文化産業。

投稿日時 : 2021/01/20 18:00

「一般客が訪れる場所ではまもなく“QRコード”の設置が義務化」
地方紙 La Voix du Nordのサイトより。

日本ではすでにまったく話題にされず、政府も広報しないトラッキングアプリ。フランスでは、これまではあまり話題にされず、普及も拡がらないながらも、政府は最低限の広報は続けていた。

そして、今週から急に話題になってきたのが、レストランや映画館や劇場など、不特定多数の利用者が訪れる公共の場では、入り口にQRコードを設置し、それをスマートフォンで読み取ることで、Covid-19トラッキングアプリ「TousAntiCovid」(みんなで反Covid)が匿名で記録し、仮に同じ時間に同じ場所にいた人から感染者が出た場合は通知が来るという。さらに、これで国もクラスターを把握できるという。

逆に、こうしたQRコードがある場所では、QRコードを読み取ることに同意しないと入れないということになる。政府は一月末からこの対策を実施することを検討しており、最初に適応させる業種などを検討しているという。

昨年春の第一次コンフィヌモン(自宅隔離。ロックダウン)後には、一部のレストランでは、入店者リストを作り、実名と連絡先を記入してもらうという取り組みがあったが、QRコードの場合は完全に匿名なので、利用者のハードルは低いとされる。また、数ヶ月も営業できていない外食産業などの再開は、事業者も利用者もまちにまっているので、QRコードでチェックくらいであれば反対するものは多くないとされ、政府は外食産業などの再開の重要なポイントの一つとしているという。

まさにウィズコロナで生活を続ける知恵だ。

さらに、このQRコードのほかに話題になっているのが、「ワクチンパスポート」。これは、数週間前から欧州内で話題にされているもので、特に観光業が国内総生産の重要な割合を占めるギリシャなどが提唱している。ワクチンを接種したという「パスポート」がある人だけが、飛行機に搭乗できたり、国境をまたげるというものだが、さらには、国内の店舗やイベントでもこの「パスポート」の提示の義務化を求める意見もある。ただし、この「パスポート」に関してはヨーロッパ内での議論は煮詰まっておらず、実現性は不明だ。

ところで、QRコード施策は、もちろん、フランスのデジタル担当庁の管轄でもある。