もう限界

投稿日時 : 2019/12/17 18:00

「“もう限界”:ストライキがいかに日常に混乱をもたらしているか」
L’Express誌のサイトより。
(写真は、4月24日のストライキのときの様子)


本日は年金制度改革反対のストライキが始まって13日目。フランス各地では大規模なデモも予定されており、パリでは本日13時30分から大きな労働組合が集まる。政府は今日と明日にかけて組合側と話し合いを設ける。パリの地下鉄は相変わらず8本が運休。国鉄SNCFのダイヤは3-4本に1本程度しか動いていない。これが13日続いており、さらにまだまだ続きそう。

月曜日からはさらにトラック運転手もストライキに参加している(運送業関連も組合がある)。フランスでも戦後は30%の労働者(民間・公務員すべて)が組合員だったが、現在は10%に減少、しかも組合員が多いのはとくに公務員(学校職員・鉄道など)だ。そして民間企業で組合の活動が最も盛んなのがまさに運送業で、この業界が運動に加わったことで、労働組合が一致団結。本日のデモはかなり大きなものになった。

この13日間、仕事を休むことも、テレワークすることもできない国民は、早起きをして何度も来るか来ないかわからない交通機関を待ち、乗り換え、すし詰め状態のバスや地下鉄で職場へ。学校や託児所も、職員などがストライキしている人もいれば、交通機関の麻痺で通勤できなく、働き手不足のために閉鎖しているところもある。1週間はまだやりくりもできるが、2週間目にはいり、クリスマス休暇前というタイミングは誰にとっても大変だ。

これで金曜日から始まるクリスマス休暇のスタートは完全に鼻をくじかれるようだ。フランスのクリスマスは、家族と過ごすのが慣例で、地方に里帰りする時期でもある。なので、週末の不確定な列車にたよらず、すでに早めに移動を始めている人もいれば、レンタカーもすでに予約で空きがない状態、さらに来週のSNCFはすべて予約不可(運行が確定していないため)という。

先日はパリの近郊線RER D線では、満員電車の中で出産したというニュースがあったが、これに対してSNSでは、「これには二つの奇跡がある。一つは出産できたこと。もう一つは、電車に乗れたこと」というのがあった。また、生中継のニュースチャンネルでは、間引き運転しているバスが走っていること自体がニュースになっていた。