お金の話

投稿日時 : 2019/04/18 18:30

Le Figaro.frのサイトより。「パリのノートル・ダム:保険の難題」

4月16日のブログで、あるメディアが取り上げていた疑問として、ノートル・ダムには保険がかかっていたはずではないかと伝えた。が、その後、上記の Le Figaro紙をはじめとした他のメディアも保険の問題をまとめた。

Le Figaroによると、ノートル・ダム大聖堂自体と、そこにある芸術品は、国が所有者で、国自体が保険者である。もし、修復工事をしている業者の過失が認められれば、業者が加入している保険会社が国に賠償金などを払うことになるが、仮にそうなった場合でも、被害額はそれ以上になるという。

現在フランスにある93の大聖堂(Cathédorales)のうち、1905年以前に建築された83の所有者はフランス国家で、ノートル・ダム大聖堂もその一つ。1905年とは、政教分離が確立した年だ。ノートル・ダムの中には、1905年以降に取得した動産もある(椅子や音響設備、照明など)が、これは教会が保険をかけている。

原因究明には時間もかなり、解明されるかどうかも不明というだけではなく、大がかりな修復工事で、複雑な組織体系の中で、責任の所在がどこにあるのかをはっきりさせられるかも不透明。完全な比較は出来ないが、フクシマの原発事故を思わずにはいられない。

それでも一夜にして巨額の寄付が集まった。火災以前は、アメリカに支援組織を作って寄付を集めなければならないほどに経済的に厳しかったのが、あっというまに(おそらくは)充分過ぎるほどの金額が集まった。

これに対しても、お金持ちの大企業が、節税対策や売名のために寄付をしたなどという批判もでたり、マクロン大統領の5年という目標も、自分の第二期への布石だとか、政治利用という批判もでてきている。

とはいえ、巨額の金額が集まったのは事実。これがノートル・ダムの修復に使われるが、それは、そこで働くフランスの企業、職人、フランスの木材などに使われるということで、フランス経済への資金投入とも言え、「復興景気」みたいな効果があるかもしれず、マクロン大統領の「政治利用」も当然と言えば当然だろうか。

また、出版社がノートル・ダムを扱った文学作品の増刷、新刊を発表したり、レコード会社がノートル・ダムで録音されたクラシック音楽CDの企画を発表して、売上の一部などを寄付などという動きもでている。