あと2日。あと2ヶ月。そして5年後。

投稿日時 : 2022/04/22 17:30

「大統領選2022世論調査:討論の後、エマニュエル・マクロンは、マリーヌ・ルペンとの差を広げる」
Le Parisien紙のウェブサイトより。

水曜の夜の討論から丸一日たって、フランスのメディアでの見解はほぼまとまってきた。

これまでの歴代の大統領選挙の決選討論に比べて、視聴率はかなり悪かったというが、5年前と同じ顔ぶれで、テレビ事情も変わっているので単純には比較できないが、テレビを見ていた人(そもそもこの数が少ない)の大半は討論を見ていたというのがフランス。

討論については、引き分けとか、特にどちらにも失言もなければ、有利な発言はなかったとか、細かな揚げ足取りのような解説はあるが、この討論が最終的な投票に影響を与えることはないとされる。が、その分、マクロン現大統領に多少は有利とされる。

マクロン氏は、注意はしてはいたものの、できの悪い生徒に対応する先生のような態度がどうしても垣間見えてしまってはいたようだが、ルペン氏も討論でも幾分弱かったし、突っ込みどころがあったにもかかわらず攻めきれなかったとされる。

その後の世論調査でも、マクロン氏が有利とされる結果が発表されているが、世論調査と結果が同じ事はないフランス。まだどうなるかはわからない。

そこで、フランスでは、「その後」が語り始められている。蚊帳の外になった極左政党のメランション氏は、「第三回戦」の議会選挙にむけての発言を繰り返し、その選挙次第で、自身が首相になることもあり得るような発言をしている。さらにルペン氏も、ひょっとしたら大統領に選ばれる可能性がゼロとは言い切れないものの、どのような得票率で負けるかで、その後がどうなるかというシナリオも取ただされている。

決選投票でルペン氏の得票率が低ければ、極右政党の党首としての資質が問われるのはもちろん、もう一つの極右勢力のゼムール氏もまた動き出す可能性がある。逆に、かなり接戦で敗れた場合、現時点では5年後の再出馬はないといっているが、2027年に5回目の出馬をする可能性も大いにあるとするメディアもある。

結局マクロン現大統領が再選される可能性が高いだろうが、月曜日からフランスの政治風景はまた新しいステージに入ることは確実だろう。